次期戦闘機【コンパクト版】

本稿では次期戦闘機の概要を紹介し全体を俯瞰する。本稿を手掛かりにより知りたい分野を選択し、各リンク先で詳細を確認して頂ければ幸いである。

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 次期戦闘機(じきせんとうき、F-X)とは航空自衛隊が保有するF-2の後継戦闘機である。国際協力のもと日本主導で開発されるステルス戦闘機であり、2020年開発着手-2035年の部隊配備を見込む。[1]

 構想段階では将来戦闘機という名称だったが、2020年度からの開発着手に伴い、次期戦闘機(F-X)に名称が変更された。[5]

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更新対象となるF-2

 F-2は空対空能力と高い対地・対艦攻撃能力を両立した戦闘機として開発された。単座型のA型と複座型のB型が存在し、3個飛行隊分・予備機・教育用・その他含め94機が調達された。[2]  改修で誘導爆弾や国産の空対空ミサイルの運用能力が付与されている。[3][4]


【前史】

 日本のステルス機開発はTRDIが策定した技術実証機構想(1990)に端を発する。同構想により高運動ステルス技術の研究開発が進められ、その成果は先進技術実証機(2009-2017)よって実証が進んだ。[6]

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全機実大RCS模型

 2000年代初頭から配備が始まったF-2はソ連崩壊による防衛費削減や調達価格の高騰を受け、当初調達機数から圧縮を重ね最終的に98機の調達となった。[2]
 調達機数の削減が国内防衛産業に与える影響についても官民で議論(2009)された。[7]

 2010年までの周辺国の情勢として、中国は経済・国家規模の膨張に伴い軍事予算は驚異的な増加を続けた。空軍戦力も拡張し、2008年の第4世代戦闘機の保有数は日本を上回り、2010年時点では第5世代戦闘機を開発中との情報も存在した。[8]

 ロシアは相対的な国力は低下したものの第4世代機は多数保有している。PAK FAの推進によりアメリカに次いで世界で2番目に第5世代戦闘機の初飛行を行うなど、未だ脅威は健在であった。[8]


【開発の検討】

 安全保障環境の悪化やF-2調達数削減による国内防衛産業への懸念を受け、防衛省は2010年8月に「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」を発表した。

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 同ビジョンは安全保障/産業基盤両面での現状を示すと共に航空優勢を確保する施策として上記画像のような「i3FIGHTER」を提唱した。[8]
 ビジョンに基づき各種要素研究や機体/運用構想、開発体制の見積もりを推進した。
検討作業の詳細は【検討作業】を参照


【要素研究】

以下に次期戦闘機の要素研究の概略を挙げる。

研究の詳細はリンク先を参照

(括弧)内の年表記は西暦表示であるが、期間は行政での年度に準ずる。
例:(2005-2007)は2005年4月1日から2008年3月31日



全体インテグレーション


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  DMU(デジタル・モックアップ)の一覧

将来戦闘機機体構想の研究
(2011-2014)
-DMUの作成と戦闘評価による性能/運用構想の概定
-要素研究での研究目標の設定も兼ねる[9]


将来戦闘機の技術的成立性に関する研究
(2015-2017)
-バーチャル・ビークルの作成と戦闘シミュレータによる 性能/運用構想の精微化[10]


将来戦闘機システム開発の実現性に関する研究
(2018-2020)
-バーチャル・ビークルの成果を活用し、コスト低減の追求や開発体制の検討に必要な技術資料を収集[11]


機体技術


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ウェポンベイの風洞試験模型
 

先進技術実証機
(2009-2017)
-実機の設計/製造/試験を通じて、90-00年代にかけての高運動ステルス機技術を1つの機体として統合[6]


ウェポン内装化空力技術の研究
(2010-2015)
-超音速領域でのウェポンベイ周りの空力特性の把握[12]


ウェポンリリース・ステルス化の研究
(2013-2018)
-高速気流・高荷重環境でも兵装を射出可能なウェポンベイの実現
[13]

ステルス・インテークダクトの研究
(2014-2018)
-ステルス性と良好な空力特性を両立した屈曲インテークダクトの実現
[14]

シート型・塗料型電波吸収体の研究
(2011〜2013)
-ステルス塗料/シート技術の研究[42]

機体構造軽量化技術の研究
(2014-2021)
-一体化・ファスナレス構造技術による軽量化
-新たな強度解析技術による工数削減
-エンジンのヒートシールド技術による軽量化
[15]

電動アクチュエーション技術の研究
(2015-2019)
-電動アクチュエータの試作試験による省スペース化、整備性、ステルス性、抗堪性の向上
[16]

将来戦闘機用小型熱移送システムに関する研究(2016-2020)
-小型高性能な冷却システムの開発
-適切な冷却を実現する熱収支管理技術の確立[17]


エンジン

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次世代エンジン主要構成要素の研究

(2010-2015)
-コアエンジン技術の研究[18]


戦闘機用エンジン要素に関する研究
(2013-2017)
-コアエンジンの試作試験及びエンジン低圧系の研究
[19]

戦闘機用エンジンシステムに関する研究
(2015-2019)
-実機エンジンの開発による高性能エンジン技術の実証
[20]

戦闘機用エンジンの適応性可能性向上に関する研究
(2019-2023)
-実機適用に向けた低燃圧燃焼器や補機の研究[21][42]


推力偏向ノズルに関する研究
(2016-2023)
-高機動性を実現する3次元推力偏向ノズルの開発[22]


アビオニクス

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(2010-2018)
-高性能レーダ/IRST及びセンサ統合技術の研究[23]

(2014-2018)
-高精度なFLIR及び画像ブレ処理技術の研究[24]
(2013-2018)
-全天球警戒/妨害が可能な電子戦システムの開発[25]

(2012-2020)
-赤外線を用いたMWSの開発[26]

(2015-2020)
-良好な電波特性とステルス性を両立したレドームの開発
[27]

-OA化されたレーダ/データリンク/火器管制装置をFTBを用いて連接・機能実証を行う[28]

(2020-2025)
-新型素子とノイズ処理技術を適用したIRST技術の確立
[29]

(2012-2022)
-クラウドシューティングを実現した火器管制装置の研究
[30]




2010年以前の研究は案内所の研究開発(1)に記載している
無人機に係る取組は無人機関連(1)無人機関連(2)を参照されたい




【開発の着手】

 26中期防の期間において、F-2後継機は開発体制を含め以下の選択肢を軸に検討が進められた。[31]

・国内開発or共同開発   → 新型機or派生機
・既存機の購入      →   既存機

 なお、派生機にはF-22とF-35のハイブリッド機、F-15の改良型、タイフーンの改良型の3つが提案された。[31]
 将来の航空優勢の確保、改修の自由度、国内企業の参画、現実的なコスト、次世代技術を適用できる拡張性 の5つの観点から各選択肢が検討された。[32]

 2018年末に発表された31中期防では「国際協力を視野に、我が国主導の開発に早期に着手する」との方針が明記され、既存機の購入は選択肢から除外された。[33]
 2020年度予算ではF-2後継機の開発予算が計上され、新型機の国内開発が正式に決定された。[34]

開発までの流れは【検討作業】を参照
ロッキードのハイブリッド機はLM案の追憶を参照


【開発体制】

 開発体制としてシングルプライム方式を採用する。(国は機体担当企業-プライムのみと契約し、プライムが各構成品の担当企業を下請けとして開発を取りまとめる)[35]
 2020年10月には三菱重工がプライムに選定された。同年12月にはインテグレーション支援企業候補としてロッキード・マーチン社が選定された。
 2021年度からは米国装備品との相互運用性に向けた研究も開始される。[43]

 2020年1月にはMHIを中心としたF-X開発チーム(FXET)が結成され設計作業を開始した。[44]

開発体制の詳細は【開発作業】を参照
英米など外部の動向は【提案】〜【思惑】を参照



【開発手法】

 開発リスクやコストの低減から以下のような開発手法を取り入れる。[36]

❶ブロック化開発による段階的な開発プロセスの推進
❷オープンアーキテクチャー(OA)の採用によるアビ
 オニクス開発作業の効率化
❸モデルベースドデザインや先進的な製造技術の取り込み等による開発の効率化
❹国際協力で更なる技術的信頼性向上やコストの低減

こちらも詳細は【開発作業】を参照



【機体の特徴】

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次期戦闘機のコンセプト

 上記画像のような機体コンセプトが発表されている。
全体としては航空優勢の確保を重視する。F-2後継機として対地対艦能力などマルチロール性も併せて備える。
 無人機との連携など将来技術の対応も言及されている。[37]

機体構想の変遷は【検討作業】を参照



【運用構想】

 広大な領域に対し基地の数が少なく、より遠方で敵を迎撃するべく航続距離や滞空時間を重視する。数的劣勢やステルス機に対処するため同盟国も含めたネットワーク戦闘を展開する。[38]

運用構想の変遷は【検討作業】を参照


【配備計画】

 2031年に量産に着手し2035年頃の部隊配備を見込む。現在はF-2の置き換えのみであり、報道ではF-2と同じく100機前後の調達としているが防衛省から正式な導入機数は発表されていない。[39]

配備計画の詳細は【検討作業】を参照


【年表】

・1990年
  ○技術実証機構想を策定

・2009年
  ○先進技術実証機の開発に着手

・2010年
  ○「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」公表

・2016年
  ○先進技術実証機が初飛行[40]

・2018年
  ○31中期防で「我が国主導の開発」を明記

・2019年
  ○次期戦闘機開発予算が承認

・2020年
  ○MHIを機体担当企業として選定
  ○LMがインテグレーション支援企業候補に
  ○FXET結成及び設計作業開始


2020年までの流れは【検討作業】
2020年以降は【開発作業】を参照


【仕様】

後日追加予定

検討中のものは【開発作業】を参照











【参考文献】