次期戦闘機【検討作業】
本稿では主に次期戦闘機の開発が決定するまでの検討作業を述べる。主に2010年から2020年の10年間の事柄を記述する。
2020年度以降の開発計画は【開発作業】を参照
【目次】
・組織図
・前提
・全体の流れ
・目的・運用・性能
・コスト
・装備構想
・開発計画
・技術戦略
・代替案の分析
・海外との意見交換
【組織図】
次期戦闘機の検討作業には航空自衛隊だけでなく様々な組織が関与している。[1]
防衛省全体、内部部局、航空幕僚監部、防衛装備庁の組織図と役割を示し、検討作業の理解を深める。
・防衛省全体
【前提】
次期戦闘機は航空自衛隊の装備品の一種であり、訓令によって開発に必要な手続きが定義されている。[6]
この項目では手続きの概略を紹介し、後述する各作業の立ち位置を明確にする。
空自における研究開発区分のうち、次期戦闘機は「兵器体系研究」に分類される。兵器体系研究の段階は構想段階、確定段階、装備化段階、運用段階がある。既存機の派生型の開発もこれに該当すると思われる。[6]
本稿では主に構想-確定段階を中心に述べるため、装備化段階及び運用段階は省略する。また、黒太字の用語は別途補足を追加している。
①構想段階[6][7]
まず空幕は「基本的性能等に関する調査」を実施する。必要に応じ開発集団はそれを支援する他、「基礎的運用研究」を実施する場合もある。
総隊等(運用者側)は「将来の装備品等に関する検討」によって運用面から基礎的な検討を行い、将来装備への要望を作成し空幕へ上申する。
空幕は前項の要望や上記の調査・研究を基に、「装備品等研究開発見積依頼」を作成し防衛装備庁に提出する。見積依頼は努めて早期の時期から開発品の概算要求年度の前々年度までに作成する。
装備庁は空自と共に「装備品等研究開発見積り」を実施し、要求事項の精微化等を行う。なお、見積依頼での記載内容は多少粗くとも問題無いが、見積りによって最終的に実施計画並の精微化を図る。
兵器体系研究:航空防衛力整備構想に対応する兵器体系(中核となる装備品、関連人員、器材、施設、技量等の総体)及び既存の兵器体系に関する研究開発
基本性能等に関する調査:基本的性能、要求性能、技術要求事項等(装備品に係る仕様の細部技術的事項)に関する技術的な調査、分析及び検討
将来の装備品等に関する検討:将来保有すべき装備品の運用面からの基礎的な検討 必要性、運用構想、装備構想、機能性能等の概要を記した将来装備品への要望を作成する
基礎的運用研究:将来保有すべき装備品等の基礎的な運用に関する技術的な調査、分析、検討及び試験
装備品等研究開発見積依頼:各幕が作成する装備庁による研究開発の所要を明らかにした文書研究開発名称、運用構想、要求性能等を記載
装備品等研究開発見積り:見積依頼を基に装備庁が技術的リスクやその他分析を行う、研究開発の中長期的な見積り 研究開発要求の作成に資する
②確定段階[8]
空幕は見積りを基に、装備品等研究開発要求を策定し装備庁に提出する。開発要求は最終的な要求事項を定めており、開発品の概算要求年度の前年度に作成される。
なお、必要に応じ内容は修正できる。
装備庁は見積り及び開発要求から、開発についての基本計画(開発の概要、概算要求の基礎)と実施計画(実施線表、詳細なスケジュール)を策定する。
装備品等研究開発要求:装備品の研究開発を求める所要の事項を記した文書 代替手段との比較も記載
基本計画:概算要求の基礎となる研究開発目的、研究開発完了年度、研究開発総経費の見積り及び見積量産単価その他重要事項を記載した文書
実施計画:技術重要度、実施計画等を記した文書
直接取得[9]
次期戦闘機は開発によらない既存機の購入も選択肢にあったが、訓令では「直接取得」にあたる。以下に直接取得の概略を示す。
空幕は内局の整備計画局及び防衛装備庁との協議の上で運用要求書及び要求性能書を作成する。その後、同組織群は提案要求書及び評価基準書の各案を作成する。説明会などで企業からの意見を必要に応じ反映させ、提案要求書及び評価基準書を策定する。
空幕は企業から提案書を収集・評価(評価基準書による)し、機種選定案を作成する。最終的に航空機選定諮問会議を経て機種の選定が決定される。
運用要求書:航空機の運用目的、運用構想、期待する主要性能その他の運用上の要求事項を記載した文書
要求性能書:前項を満たす性能についての要求事項を記載した文書
提案要求書:候補機種の性能、所要経費、後方支援体制その他事項を記した文書 外国企業/政府に提示
評価基準書:企業等からの提案書の分析及び評価に用いる基準を定めた文書
その他[10]
開発見積りなどや提案要求書の作成など、検討段階では民間企業からの情報収集が必要な場合もある。その際は装備庁の担当室がRFT(情報提供企業の募集)及びRFI(情報提供依頼)の原案を作成し、調整会議による審議を経て正式に策定する。
RFTはホームページで掲載され、提供意思のある企業別に説明会を行いRFIを手交する。手交したRFIに基づき情報提供が行こなわれる。
【全体の流れ】
この項目では検討作業と決定事項の主な流れを時系列で俯瞰する。国際協力も含めた2020年度以降の開発計画は【開発作業】を参照
2010年
・将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン
(2009年12月-2010年8月)
2009年12月、これまでのF-2の製造終了と防衛産業への影響の調査結果をまとめた「戦闘機の生産技術基盤の在り方に関する懇談会 中間取りまとめ」が作成された。この調査は防衛省と日本航空宇宙工業会(SJAC)の官民合同で行われた。[11]
前項を受けた防衛省は、「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン検討作業チーム」を編成し、将来戦闘機コンセプトや必要な研究事項を整理した。
①防衛省内部部局
内部部局の
防衛省内部部局(内局)のうち、防衛政策局は日本の防衛/安全保障に係る基本方針や政策の企画や立案、調整などの役割を担っている。以下に各課の所掌事務(次期戦闘機の検討と関連が持たれるもの)を挙げる。[2]
❶防衛政策課
・国際機関及び外国の行政機関その他の機関との渉外
❷戦略企画課
・防衛及び警備に関する中長期的な見地からの政策の
企画及び立案並びに推進
❸日米防衛協力課
・防衛の分野におけるアメリカ合衆国との協力の基本
及び調整
❹国際政策課
・防衛の分野における国際的な交流の基本及び調整
❺調査課
・各課の事務に必要な、情報の収集整理
・防衛及び警備に関する秘密の保全
②航空自衛隊/航空幕僚監部
航空自衛隊内での空幕の位置づけ
航空幕僚監部(空幕)は航空自衛隊の防衛及び警備に関する計画の立案に関する事務等を掌る。空幕は運用者側として次期戦闘機の検討を行う。画像には無いが空幕内部にも複数の課が置かれるため、次期戦闘機との関連を持つ所掌事務を以下に記す。[3]
❶総務課
・渉外及び広報
❷防衛課
・防衛及び警備の計画
❸装備体系課
・防衛及び警備の計画に基づく装備体系の計画
・防衛装備庁に対する航空装備品の技術研究及び研究
開発の要求
❹情報課
・防衛及び警備の秘密の保全
③防衛装備庁
防衛装備庁(装備庁)は装備品の研究開発/調達/維持等を担当する。前身組織は技術研究本部であり、2015年に装備庁へと改編された。[4]
2020年度からは次期戦闘機の開発管理を専任的に行う「装備開発官(次期戦闘機担当)」が設置された。[5]
【前提】
次期戦闘機は航空自衛隊の装備品の一種であり、訓令によって開発に必要な手続きが定義されている。[6]
この項目では手続きの概略を紹介し、後述する各作業の立ち位置を明確にする。
空自における研究開発区分のうち、次期戦闘機は「兵器体系研究」に分類される。兵器体系研究の段階は構想段階、確定段階、装備化段階、運用段階がある。既存機の派生型の開発もこれに該当すると思われる。[6]
本稿では主に構想-確定段階を中心に述べるため、装備化段階及び運用段階は省略する。また、黒太字の用語は別途補足を追加している。
①構想段階[6][7]
まず空幕は「基本的性能等に関する調査」を実施する。必要に応じ開発集団はそれを支援する他、「基礎的運用研究」を実施する場合もある。
総隊等(運用者側)は「将来の装備品等に関する検討」によって運用面から基礎的な検討を行い、将来装備への要望を作成し空幕へ上申する。
空幕は前項の要望や上記の調査・研究を基に、「装備品等研究開発見積依頼」を作成し防衛装備庁に提出する。見積依頼は努めて早期の時期から開発品の概算要求年度の前々年度までに作成する。
装備庁は空自と共に「装備品等研究開発見積り」を実施し、要求事項の精微化等を行う。なお、見積依頼での記載内容は多少粗くとも問題無いが、見積りによって最終的に実施計画並の精微化を図る。
兵器体系研究:航空防衛力整備構想に対応する兵器体系(中核となる装備品、関連人員、器材、施設、技量等の総体)及び既存の兵器体系に関する研究開発
基本性能等に関する調査:基本的性能、要求性能、技術要求事項等(装備品に係る仕様の細部技術的事項)に関する技術的な調査、分析及び検討
将来の装備品等に関する検討:将来保有すべき装備品の運用面からの基礎的な検討 必要性、運用構想、装備構想、機能性能等の概要を記した将来装備品への要望を作成する
基礎的運用研究:将来保有すべき装備品等の基礎的な運用に関する技術的な調査、分析、検討及び試験
装備品等研究開発見積依頼:各幕が作成する装備庁による研究開発の所要を明らかにした文書研究開発名称、運用構想、要求性能等を記載
装備品等研究開発見積り:見積依頼を基に装備庁が技術的リスクやその他分析を行う、研究開発の中長期的な見積り 研究開発要求の作成に資する
②確定段階[8]
空幕は見積りを基に、装備品等研究開発要求を策定し装備庁に提出する。開発要求は最終的な要求事項を定めており、開発品の概算要求年度の前年度に作成される。
なお、必要に応じ内容は修正できる。
装備庁は見積り及び開発要求から、開発についての基本計画(開発の概要、概算要求の基礎)と実施計画(実施線表、詳細なスケジュール)を策定する。
装備品等研究開発要求:装備品の研究開発を求める所要の事項を記した文書 代替手段との比較も記載
基本計画:概算要求の基礎となる研究開発目的、研究開発完了年度、研究開発総経費の見積り及び見積量産単価その他重要事項を記載した文書
実施計画:技術重要度、実施計画等を記した文書
直接取得[9]
次期戦闘機は開発によらない既存機の購入も選択肢にあったが、訓令では「直接取得」にあたる。以下に直接取得の概略を示す。
空幕は内局の整備計画局及び防衛装備庁との協議の上で運用要求書及び要求性能書を作成する。その後、同組織群は提案要求書及び評価基準書の各案を作成する。説明会などで企業からの意見を必要に応じ反映させ、提案要求書及び評価基準書を策定する。
空幕は企業から提案書を収集・評価(評価基準書による)し、機種選定案を作成する。最終的に航空機選定諮問会議を経て機種の選定が決定される。
運用要求書:航空機の運用目的、運用構想、期待する主要性能その他の運用上の要求事項を記載した文書
要求性能書:前項を満たす性能についての要求事項を記載した文書
提案要求書:候補機種の性能、所要経費、後方支援体制その他事項を記した文書 外国企業/政府に提示
評価基準書:企業等からの提案書の分析及び評価に用いる基準を定めた文書
その他[10]
開発見積りなどや提案要求書の作成など、検討段階では民間企業からの情報収集が必要な場合もある。その際は装備庁の担当室がRFT(情報提供企業の募集)及びRFI(情報提供依頼)の原案を作成し、調整会議による審議を経て正式に策定する。
RFTはホームページで掲載され、提供意思のある企業別に説明会を行いRFIを手交する。手交したRFIに基づき情報提供が行こなわれる。
【全体の流れ】
この項目では検討作業と決定事項の主な流れを時系列で俯瞰する。国際協力も含めた2020年度以降の開発計画は【開発作業】を参照
2010年
・将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン
(2009年12月-2010年8月)
2009年12月、これまでのF-2の製造終了と防衛産業への影響の調査結果をまとめた「戦闘機の生産技術基盤の在り方に関する懇談会 中間取りまとめ」が作成された。この調査は防衛省と日本航空宇宙工業会(SJAC)の官民合同で行われた。[11]
前項を受けた防衛省は、「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン検討作業チーム」を編成し、将来戦闘機コンセプトや必要な研究事項を整理した。
このチームは内局(経理装備局、防衛政策局)、空幕、技術研究本部、統幕(オブザーバー)の課長級から構成される。
この検討によって2010年8月には「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」が公表された。将来戦闘機のコンセプトやF-2後継機に開発を選択肢として考慮できるよう必要な研究/検討を推進する方針等が示された。[12]
・中期防衛力整備計画(平成23年度~平成27年度)
2010年12月に策定された23中期防では
「戦闘機(F-2)の後継機の取得を検討する所要の時期に、戦闘機の開発を選択肢として考慮できるよう、将来戦闘機のための戦略的検討を推進する」
とされ、中期防においても将来戦闘機の検討を推進する方針が示された。[66]
この検討によって2010年8月には「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」が公表された。将来戦闘機のコンセプトやF-2後継機に開発を選択肢として考慮できるよう必要な研究/検討を推進する方針等が示された。[12]
・中期防衛力整備計画(平成23年度~平成27年度)
(閣議決定2010年12月)
「戦闘機(F-2)の後継機の取得を検討する所要の時期に、戦闘機の開発を選択肢として考慮できるよう、将来戦闘機のための戦略的検討を推進する」
とされ、中期防においても将来戦闘機の検討を推進する方針が示された。[66]
2010-2014年

将来戦闘機官民合同研究会のメンバー
研究会の進捗に伴い、2011月4月、技術研究本部は「総合検討部会」を設立した。これは本部内での総合的検討(省内の技術的検討支援も含む)、研究開発事業の情報共有の促進を目的とした。[14]
(2016年6月)
開発要求が策定されたのは1年以上後の2019年9月である。[24] 結果として将来戦闘機の予算化は1年遅れることとなった。
・第3回目RFTの公示
(2018年6月)
防衛省は2018年6月に3回目(2回目は2017年)のRFTを公示した。これにより一時期話題となったF-22とF-35のハイブリッド機等が提案された。(後述)[25][26]
2019年
・中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)
(閣議決定2018年12月)
2018年12月に策定された31中期防では
「将来戦闘機について、戦闘機(F-2)の退役時期までに、将来のネットワーク化した戦闘の中核となる役割を果たすことが可能な戦闘機を取得する。そのために必要な研究を推進するとともに、国際協力を視野に我が国主導の開発に早期に着手する」
との方針が示された。これによって既存機の購入は選択肢から除外された。[27]
・令和2年度概算要求
(2019年8月)
将来戦闘機の開発費が事項要求として計上[28]
・装備品等研究開発要求の策定
(2019年9月)
2019年9月には次期戦闘機の開発要求が策定[24]
・日米共同スタディ
(2019年9月-2020年5月)
日米防衛関係者で将来戦闘機について協議[24]
・令和2年度予算の閣議決定
(2019年12月)
次期戦闘機の開発費(構想検討)に111億円が計上、正式名称が次期戦闘機となり、派生機の選択肢も正式に除外[29][30]
・将来戦闘機官民合同研究会
(2010年10月-2014年3月?)

将来戦闘機官民合同研究会のメンバー
先のビジョンに従い、2010年10月には、官民の認識共有/戦略的な研究の推進/民の事業計画策定への資等を目的とした「将来戦闘機官民合同研究会」が設立された。研究会は防衛省とSJACで構成される。防衛省側の出席は上記画像の通りである。
当研究会では主に将来戦闘機コンセプト、LCC、ロードマップ、開発体制、技術戦略、技術動向等をテーマとした。[13]
研究会の進捗に伴い、2011月4月、技術研究本部は「総合検討部会」を設立した。これは本部内での総合的検討(省内の技術的検討支援も含む)、研究開発事業の情報共有の促進を目的とした。[14]
・中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)
(閣議決定2013年12月)
政権交代による自民党政権の誕生で民主党政権下の23中期防が廃止され、26中期防が策定された。[15]
当中期防では将来戦闘機関連事業を継続する他、国際共同開発の可能性も含め検討し必要な措置を講ずると記された。
26中期防の決定に伴い、2014年7月に内局/空幕/装備庁で構成される「F-2後継機に関する検討チーム」が設置された。[1]
2015年
・プロジェクト管理重点対象装備品
(選定2015年11月、計画策定2016年8月)
2015年11月には効率/効果的な取得を目的とし、重点的にプロジェクト管理を行う装備品(プロジェクト管理重点対象装備品)として将来戦闘機が選定された。2016年8月には取得戦略計画の概要が示された。[16][17]
2016年
・装備品等研究開発見積依頼
(2016年1月)
2016年1月には次期戦闘機の「装備品等研究開発見積依頼」が策定された。見積依頼の概要は前章を参照[18]
・F-2の後継機となる戦闘機の実現可能な取得方法の検討
2016年6月には将来戦闘機に関して第一回目のRFT(F-2の後継機となる戦闘機の実現可能な取得方法の検討)が公示された。新規開発、既存機の派生型の開発、既存機の購入について情報提供を求めた。[19]
2017年
・将来戦闘機における英国との協力の可能性に係る日英共同スタディに関する取決め
(2017年3月)
2017年7月には防衛省と英国防省で「将来戦闘機における英国との協力の可能性に係る日英共同スタディに関する取決め」を締結した。[20]
2018年
・装備品等研究開発要求の策定見送り
2017年
・将来戦闘機における英国との協力の可能性に係る日英共同スタディに関する取決め
(2017年3月)
2017年7月には防衛省と英国防省で「将来戦闘機における英国との協力の可能性に係る日英共同スタディに関する取決め」を締結した。[20]
2018年
・装備品等研究開発要求の策定見送り
(本来時期2018年3月)
2016年時点では2018年度に開発に係る判断を行う予定であり、本来であれば2018年3月に装備品等研究開発要求を策定する予定であった。[22] [23] これは2019年度概算要求に開発費を計上するのと同義である(開発要求は概算要求年度の前年度に作成するため)。
前提として防衛省は26中期防に則り、2018年度までに国際共同開発/国産開発に係る最終判断を行うとしていた。[21]
2016年時点では2018年度に開発に係る判断を行う予定であり、本来であれば2018年3月に装備品等研究開発要求を策定する予定であった。[22] [23] これは2019年度概算要求に開発費を計上するのと同義である(開発要求は概算要求年度の前年度に作成するため)。
しかし、実際は開発費が計上されていない。
開発要求が策定されたのは1年以上後の2019年9月である。[24] 結果として将来戦闘機の予算化は1年遅れることとなった。
・第3回目RFTの公示
(2018年6月)
防衛省は2018年6月に3回目(2回目は2017年)のRFTを公示した。これにより一時期話題となったF-22とF-35のハイブリッド機等が提案された。(後述)[25][26]
2019年
・中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)
(閣議決定2018年12月)
2018年12月に策定された31中期防では
「将来戦闘機について、戦闘機(F-2)の退役時期までに、将来のネットワーク化した戦闘の中核となる役割を果たすことが可能な戦闘機を取得する。そのために必要な研究を推進するとともに、国際協力を視野に我が国主導の開発に早期に着手する」
との方針が示された。これによって既存機の購入は選択肢から除外された。[27]
・令和2年度概算要求
(2019年8月)
将来戦闘機の開発費が事項要求として計上[28]
・装備品等研究開発要求の策定
(2019年9月)
2019年9月には次期戦闘機の開発要求が策定[24]
・日米共同スタディ
(2019年9月-2020年5月)
日米防衛関係者で将来戦闘機について協議[24]
・令和2年度予算の閣議決定
(2019年12月)
次期戦闘機の開発費(構想検討)に111億円が計上、正式名称が次期戦闘機となり、派生機の選択肢も正式に除外[29][30]
【目的・性能・運用】
将来の戦闘コンセプトとして「i3FIGHTER」が提唱された。以下にその概要を示す。
なお、VVの任務内容として以下が想定されていた。
・第5世代戦闘機対処
・爆撃機等対処
・対艦攻撃
・対地攻撃
・電子戦対処
・非軍事任務
⑤現在
この項目では次期戦闘機の目的・性能・運用の検討及び変遷を時系列順に述べる。
①i3FIGHTER [12]
①i3FIGHTER [12]
研究開発ビジョンでは、将来戦闘機は航空優勢の確保に資するものであり、数的劣性下でも第5世代機に対処しうる次世代機として示された。それらを実現する戦闘・機体コンセプトを以下に述べる。
将来の戦闘コンセプトとして「i3FIGHTER」が提唱された。以下にその概要を示す。
・統合火器管制によるクラウドシューティング
・大型機や無人機とのネットワーク
・高出力レーダ/マイクロ波での瞬間撃破
・電子戦に強いフライバイライト(FBL)
による
情報化(informed)
知能化(intelligente)
瞬時に(instantaneousInstantaneous)
を特徴としている。高出力レーダ/マイクロ波や無人機の群制御は、配備時期である2030年代より後の2040〜2050年代の実現を目指している。
また、ステルス機に対抗しうる、機体の質的な向上としてカウンター・ステルス・ファイターも提唱された。
以下にその概要を示す
・敵を凌駕するステルスと優位性の確保
・次世代ハイパワーレーダによる早期発見
・次世代ハイパワー・スリム・エンジン
検討初期ではX-2をスケールアップさせた機体を設定し、機体規模の目安を検討した。[31]
2011年から2014年にかけては、「将来戦闘機機体構想の研究」を実施し、DMU(デジタル・モックアップ)を作成した。DMUは戦闘シミュレーションを通じて改訂され、23-26DMUが作成された。[22]
将来戦闘機機体構想の研究の詳細はこちらを参照
初期検討作業は当資料を参照
将来戦闘機機体構想の研究の詳細はこちらを参照
初期検討作業は当資料を参照
③要素研究
要素研究は先のDMU(デジタルモックアップ)に基づき研究目標を策定している。また、研究に関する資料には機体構想に言及されているものもあり、それついてまとめる。
・数的劣勢化での対ステルス機の要撃や撃破[32]
・高いステルス性[33]
・空対空戦闘に必要な機動性の確保[34]
・ミサイルやステルス機への残存性[35]
・超音速巡航能力[36]
・高高度/高速戦闘能力[36]
・地上レーダなど各種アセットとの連接[32]
・ネットワークを中心とする防空体制の構成要素[32]
・ステルス機の探知[37]
④バーチャルビークル [38]
2015年からはより運用構想や要求性能を明確化するため、「将来戦闘機の技術的成立性の研究」を実施した。
当研究ではデータ化された仮想上の機体であるバーチャル・ビークル(VV)を作成した。
当研究ではデータ化された仮想上の機体であるバーチャル・ビークル(VV)を作成した。
VVは任務分析や技術的なトレードオフ、RCS試験等に基づきコンセプト案毎に設定される。VVは戦闘シミュレーションによって検証され、LCCも含めた機体仕様の精微化を行った。
なお、VVの任務内容として以下が想定されていた。
・第5世代戦闘機対処
・爆撃機等対処
・対艦攻撃
・対地攻撃
・電子戦対処
・非軍事任務
⑤現在
空幕は将来の脅威や戦略環境を見積り、2019年9月には装備品等開発要求を策定した。[24]
また、次期戦闘機の開発着手に伴いそのコンセプトが発表された。概ねi3Fighterのコンセプトを引き継いでる。
ASM-3の搭載やマルチロール性を備えつつ、主として空対空戦闘を担うことが示された。[39][40] F-35より多いミサイル搭載量や幅広の機体など大型戦闘機であることが伺える。行動半径も重視する。[41][24]
同盟国たる米国との連携も念頭にあり、2019年9月からの日米政府協議では相互運用性や脅威認識の共有がなされた。[24][42]
相互運用性の観点から、次期戦闘機はインターオペラビリティ用含め3種類のデータリンクを搭載する。[24]
防衛省内では無人機技術を重視しており、「脅威度を増す環境を念頭に、完全に無人機で対応すべきではないか」との意見も存在した。空幕内では「航空路が集中する沖縄で、無人機を用いたモニター越しのスクランブルは可能か」等も議論された。
議論の結果、「2035年頃に実現する機体は無人化する必要はなく、有人機の方がメリットがある」との結論に至った。
他方で、次期戦闘機の無人機との連携/組み込みは設計の要点として重視する。
将来環境の不確実性に対応するため機器搭載スペースや発電力に余裕をもたせる。[43]
なお、報道では機体構想や性能を報じたものがあり、それらを紹介する。
ASM-3の搭載やマルチロール性を備えつつ、主として空対空戦闘を担うことが示された。[39][40] F-35より多いミサイル搭載量や幅広の機体など大型戦闘機であることが伺える。行動半径も重視する。[41][24]
同盟国たる米国との連携も念頭にあり、2019年9月からの日米政府協議では相互運用性や脅威認識の共有がなされた。[24][42]
相互運用性の観点から、次期戦闘機はインターオペラビリティ用含め3種類のデータリンクを搭載する。[24]
防衛省内では無人機技術を重視しており、「脅威度を増す環境を念頭に、完全に無人機で対応すべきではないか」との意見も存在した。空幕内では「航空路が集中する沖縄で、無人機を用いたモニター越しのスクランブルは可能か」等も議論された。
議論の結果、「2035年頃に実現する機体は無人化する必要はなく、有人機の方がメリットがある」との結論に至った。
他方で、次期戦闘機の無人機との連携/組み込みは設計の要点として重視する。
将来環境の不確実性に対応するため機器搭載スペースや発電力に余裕をもたせる。[43]
なお、報道では機体構想や性能を報じたものがあり、それらを紹介する。
機体構想
・高い空戦能力を実現する案が有力[44]
・空戦能力と併せて長距離巡航ミサイルを搭載し
高水準の対艦攻撃能力も備えさせる案も存在[44]
細部性能
1.最大速度はマッハ2[45]
2.F-35以上のステルス性、レーダ探知距離、航続距離[45]
3.8発のAAMを内装[45]
4.ステルス機を探知する非武装無人機の搭載[45]
5.運用に応じ空対艦ミサイルを外装しての対艦攻撃能力[45]
6.20tを超える空虚重量[46]
7.HPM装置の搭載を検討[47]





























